初めてお会いしたときから、私は忘れませぬ。
月明かりの夜、花びらの舞う場所に居られたあなたのことを。
あまたの時が過ぎ、花の季節は終わろうともこの想いはけっして色褪せはしないでしょう。
だけどそれを私だけの思い出にするには寂しすぎる。
一人はとても辛いのです。
私はあなたと共にいたいのです。
その言葉を告げたくて。
そう、私は―――。
藤森の狐憑き
〜月舞散華〜
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